沖縄で草刈りの仕事をしていると、草の背丈だけでなく、人との距離もグッと縮まる瞬間がたくさんあります。
今回は、そんな“ふれあいのエピソード”を交えながら、草刈りを通じて感じる沖縄の魅力をご紹介します。
草刈りは“ふれあい”のきっかけ
草が伸びるたび、また訪れる。
そのたびに交わす、ちょっとした挨拶や何気ない会話。
草刈りの現場は、地域の人たちと自然に心が通い合う場所でもあります。
「おつかれさまね〜」から始まるご近所の会話
朝から草刈りをしていると、道を通るおばぁやおじぃが、にこやかに声をかけてくれます。
「暑い中ごくろうさまね〜」
「ここ、きれいになったねぇ」
そんなひと言が、作業の疲れをふっと軽くしてくれるのです。
沖縄の人たちは、人との距離感が近く、やさしい言葉を自然にかけてくれる文化が根付いていると感じます。
休憩タイムにお茶とおしゃべりを
ある日、民家の庭で草刈りをしていたときのこと。
おばぁが「ちょっとひと休みしなさいね〜」とお茶を持ってきてくれました。
「昔はここも全部さとうきび畑だったのよ」
「昔は草刈りは鎌ひとつでね〜」
そんな昔話に耳を傾けていると、その土地に流れる歴史や、家族の思い出までもがやさしく伝わってきます。
草刈りをきっかけに、一杯のお茶とともに時間を共有する──そんな瞬間が、心をほっこり温めてくれるのです。
地域とのつながりが、仕事のやりがいに
草刈りという仕事は、一見すると「ただの作業」に思われがちです。
しかし実際には、その土地で暮らす人たちの暮らしや、思い出にそっと寄り添う仕事でもあります。
「ありがとうね、またお願いね〜」
そんな感謝の言葉をかけられるたびに、心の奥からじんわりとやりがいを感じます。
草刈りを通じて生まれる小さな絆は、仕事を超えたあたたかいつながりへと広がっていくのです。
沖縄での草刈りは、ただのメンテナンス作業ではありません。
それは、人と人をつなぎ、町を少しずつ元気にしていく小さな交流のきっかけ。
これからも、そんな想いを胸に、沖縄の緑と人々の笑顔を守りながら、丁寧に草と向き合っていきたいと思います。